引き続き熟達についてです。
「前回までのまとめ」
最初の段階は楽しむ(主体的に実験する)ことが後の熟達につながる。
それはなぜかというと,
・主体的に楽しんだり,色々試す癖をつけておけば,伸び悩んだ時にも突破口を見つけやすい
・プロセス自体が楽しめることで継続が圧倒的に簡単になる
・遊ぶ中で思いっきり動く感覚を養える
・結果だけに気を取られず,今している練習に集中できる
というメリットがあるから。
そして,そのためには「どうなるのか気になる」という好奇心と「やってみても大丈夫だ」という自信が必要でした。
次の段階である「型」では、基礎となる動作を体に染み込ませる作業が必要になります。
その作業は
・本気でお手本を真似ること
・とにかく量をこなすこと
が重要です。
今日はその型を習得するにあたって、どんな型を使うべきなのかって話。
ジャンルによっては研究が盛んで、良い型が使われていることもあると思いますし、場合によっては非効率な型が採用されているかもしれません。
例えば空手の正拳突きはおそらく形が決まってると思うんですけど、
僕の勝手なイメージでは腰を落として構えて、お腹の横くらいから打つ姿が思い浮かびます。
伝統的な空手ってそんなイメージ。
その形が正確にできた方が、空手の演舞は美しくできたり、空手家同士の戦いには有効なんじゃないですかね。
一方で僕が空手を教えてもらった先生はボクサーのような構えをします。
そしてボクサーとも少し違って若干前に腕を構える形。
これはその先生がやってる空手のルールにマッチした構えらしいです。
蹴りも投げも締めもアリという攻撃バリエーションが豊富なルールなんですけど、その場合は普通の空手の構えだと防御が間に合わないんだとか。
まぁ詳しくはわからないですけど、状況に合わせて試行錯誤、改良を重ねたものがいい型になります。
その先生は昔、空手で使う正拳突きの型を習得したわけですが、今教えているのは先ほどの改良版。
型も進化していくものなんですよね。
走り方とか泳ぎ方も時代と共に変わっていって、その基本となる型も少しずつ変わっています。
そうやって勝つために、いいパフォーマンスをするために進化していった型であることが大事なんでしょうね。
逆に言うと、「これが正しい」と習ったものを何代も機械的に継承しているものはだんだん時代に合わなくなっていくかもしれません。
思考停止していない型、試行錯誤されている型、淘汰を生き残った型。
これがいい型なんだと思います。