ちょっと前に友達に勧めてもらった本で、陸上アスリートである為末大さんの「熟達論」というのを読んでいました。
これがまぁ面白いんですよね。
僕は今までも為末さんの本はいくつか読んできたし、熟達に関しての本も色々読んできました。
どれも納得感があっていいんですが、今回のは特にわかりやすいと思いましたね。
学びが多かったのでしばらくこのテーマで話すかもしれませんが、とりあえず全体像をまとめてみようかと思います。
このテーマは熟達ということで、何かを極めるためのプロセスについて書かれているわけですが、それにはやはり段階があります。
これだけやってればOKという一つの方法論ではなく、この段階ではこれ、この段階ではこうする、というふうにざっくり筋道があるんですよね。
これによって長年の疑問であった、「同じことをやっても人によって効果があったりなかったりする」という症状が少し解消できます。
熟達までには全部で五段階ありますが、個人的には四段階目まで行けば一流、五段階目までいったら異次元のレベルって気がします。
①遊(楽しむ、遊ぶ)
②型(みんな共通の型を身につける)
③観(型を深く理解する)
④心(型から自分にとって必要な部分、中心だけを残して残りを捨てる)
⑤空(完全に技術を身につけた体に全てを任せてしまう)
まずは楽しんで、主体的に、思いきり楽しむ。
この段階で好奇心を大事にしたり、主体性を作るわけですね。
ダンスでもまずは音楽や動きを楽しんで、下手でもいいから思いっきり踊るのが大事。
そして型、まずは型って感じがしますが、最初に遊びがないと小さくまとまってしまう可能性があります。
しかしずっと遊んでたら上手くなるのは遅くなる。
先人が見つけてきた合理的な型を身につけることで一気に上手くなります。
この段階ではとにかく量をこなすのが大事。
型を身につけたらだんだん考えなくてもできるようになります。
そこで動きの仕組みを理解していきます。
部分的な視点で捉えたり、全体のバランスを考えてみたり、こういう構造でできているのかって知る。
さらに自分の体、性格なんかも理解していきます。
「できる+わかる」になるわけですね。
型の構造を理解したのであれば、自分にとって不要な部分を捨てていきます。
多くの人にとって効果的な型ですが、個人差は考慮されていないので、自分に100%合う可能性は限りなく低い。
みんなが最速で80点を取れるようになっている型を自分流にカスタマイズすることで100点にしていきます。
自分の体や心がマイノリティであるほどに型の効果は薄くなるので、人によってはこの段階まで成果が出ないこともあります。
自分にフィットさせて型を使いこなせばもう一流だと思いますが、一流同士の戦いではそれが当たり前です。
そこで勝つにはさらに上の段階、無意識で体に任せられるようになることが必要だとか。
よく「ゾーン」とか「フロー」とか言われている状態かと思いますが、相当熟達してないとたどり着けないですよね。
ここでは信じられないパフォーマンスができるはず。
遊があることで成長が早まる。
型があることで誰でも上達する。
観をすることで頭一つ抜ける準備ができる。
心の段階までいけばその他大勢からは一線を画す。
空の段階で一流同士の戦いに勝利できる。
こんな全体像かな〜
また色々細かく考えていきたいと思います。