具体と抽象を使えるかどうか

この前ダンスレッスンの代行があって、いつもと違う生徒さんにレッスンをしました。

どんなレベルかもわからないし、どんな課題があるかもわからないので、とりあえずいくつかのテーマを持って行ったんですが、その中の一つに「立ちのステップを床のステップに変換する」というものがあります。

 

そもそもなんですが、ブレイクダンスって他のダンスのように立って踊るステップもあれば、手をついて床で踊るステップもあります。

床で踊る時は基本的に「しゃがんで片手をつく」か、「四つ這いになる」の二つが多いですね。

しゃがんでいる状態であれば膝が曲がり切った基本姿勢だし、四つ這いであれば手に体重が結構乗っています。

つまり立っている時と動き方が異なるので、

立ちには立ちのステップ、床には床のステップがあって、それぞれ独立しているんですよね。

 

しかし今回はそんな異なる性質のステップを無理やり変換してみようという企画でした。

当然そのままはできないものが多いので、何かしら変更を加えて工夫するわけですが、ここでセンスが問われますよね。

どこを変えずにどこを変えるのか、変えたくないところはどうにかしてニュアンスを残せないか。

発想力が重要になってきます。

 

この発想力、もうちょっと分解すると「抽象化する力」と「具体化する力」でもあります。

つまり「ざっくり捉える力」と「詳しく決める力」。

 

例えば立ちのステップに「インディアンステップ」というものがありますが、これはどうやって足を出して、体の重心はこの辺で、という風に色々と細かなポイントがあります。

しかし全てのポイントを押さえたままでは床で使えないので、重要な部分をざっくり抜き出してみます。

腰を捻る部分が見せ場だし、足を回すような動きも特徴的、そこが特に重要。

そして今度はしゃがんだ状態でその二つを使って踊ってみます。

 

上半身の使い方などは変わっても、特徴的なポイントを押さえらえれれば、変換としてはOKです。

なかなか難しい作業ではあるんですが、こういう考え方ができれば色んなジャンルからエッセンスを取り入れられるようになります。

他ジャンルのダンスだったり、スポーツだったり、日常生活動作だったり。

どうやったらブレイクダンスの動きにマッチさせられるか、必要な要素だけを取り入れる力がつくといいですよね。

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