今日は個性を出すっていうテーマのお話です。
ブレイクダンスって最終的には個性がすごく重要で、その人特有の動きや形、音の取り方がかっこいいと思います。
でもそのためには基礎をしっかり固めて土台を作っていき、その上に自分の個性を乗せるという過程が重要とされます。
武道の守破離みたいなもので、基本を守り、自分の色に崩し、見たことないものを作り上げていくという順番が多いですね。
大体ダンス講師の人と話したらそういう見解で一致していて、みんな基礎はしっかり教えている傾向にあります。
でも最近話を聞いた先生はちょっと変わっていて、「ブレイキンの基礎は一切教えない」と言っていました。
これは新しいw
例えばブレイキンの基礎には「チェアー」っていう技があって、腕と頭だけで体を支える技です。
基礎中の基礎だけど最初は結構難しいし辛い。
でも色んな技の土台になるからこれはしつこく練習させる先生が多いですね。
もちろんうちもチェアーはめっちゃやります。
で、この「基礎はやらない先生」がチェアーをやらせないのかというとそうではなく、一般的な基礎系のチェアーではなく、少し変化させた状態で教えるそうです。
チェアーの場合は足を組んだような形が最も一般的で、ほぼ必ずそれは覚える訳ですが、だんだん色んな形のチェアーを考えたりして個性を出していきます。
その個性的なチェアーから覚え始める訳ですね。
これだけ聞いたら、「基礎がちゃんと固まってないのに変形から入っていたら非効率なんじゃないか」ということも考えられますが、ちょっと面白いアイディアだとも思います。
というのも、最終的にはどっちも覚えることになるから、基本と変形どちらもやるんですよね。
だから最終は一緒。
変形の中には難しいものもありますが、基本形とそこまで難しさは変わらないものもあります。
最初に覚える時の苦労もあまり変わらない訳ですね。
ではどこで違いが出るかといえば。一つ目を覚えたあたり、初心者から中級者になるあたりです。
「基本のやつしかできないvs変形しかできない」であれば、同じクオリティなら変形の方が有利です。
なぜなら基礎スキルの点数が同点で、オリジナリティは変形の方が高得点だから。
早い段階で勝ちやすくなるってことですね。
早い段階で勝つことができれば成功体験になる。
負けが学びになるのも間違いないですが、勝ちの経験は大きなモチベーションになると思います。
それに初心者段階で変形ができるくらいでは優勝することはないので、負けもちゃんと経験できる。
ということで、ただ真面目に基本系を練習させようと思っていたけど、論理的に考えたら変形から教えるのってアリかも。
つい日本人根性で固く考えちゃうよね〜