今日は短距離走の才能について、歴史が絡んだ面白い話を聞いたので、そのお話を。
ウサインボルトさんって有名ですよね。
めっちゃ足が速い人です。
そのボルトさんの故郷はジャマイカで、他にもたくさんの足速い人がいます。
もちろん世界中に足が速い人はたくさんいますが、ジャマイカは人口の割にかなり速い人が多いみたいです。
その背景にはジャマイカの陸上競技に対する力の入れようも絡んでいるんですが、それ以上にジャマイカの人たち(特に一部の民族)の遺伝的な要因が関係していると考えられています。
【アフリカの血】
ジャマイカの人たちは、基本的に昔アフリカから奴隷で連れて行かれた人の子孫だといいます。
だからそもそもアフリカ人の血を引いていて、特にサハラ砂漠より南の、ものすごく暑い地域から来た人が多いのだとか。
なんとなくアフリカの人って、「マッチョで足が速くて、踊るのが上手」みたいなイメージがあるかもしれませんが、このマッチョで足が速いっていう特徴は特に暑い地域のアフリカ人に多いのかもしれません。
【マラリアへの適応】
暑いアフリカの地域には蚊が媒介する恐ろしい病気の「マラリア」があります。
これは非常に危険なんですが、ある程度耐性を持ったタイプの人もいます。
そういう人は「鎌状赤血球」という変異が赤血球の形に表れて、マラリアにかかるリスクが低いです。
生き残りやすいということは、当然そういう遺伝子を持った人が自然選択で増えていきます。
だから鎌状赤血球を持った人が特に暑いアフリカの地域では多いんだとか。
【鎌状赤血球は持久力がない】
マラリアへの適応には便利な鎌状赤血球ですが、通常のものよりも酸素をうまく使えずに、あまり持久力に優れないという特徴があるようです。
その点では生存に不利ですよね。
でも人間には、持久力に優れたタイプの筋肉(遅筋)と瞬発力に優れたタイプの筋肉(速筋)の2種類があって、人によってその割合は変わります。
色んな割合の人がいるけど、この地域の人は遅筋が多くてもあまり有効に使えないから、速筋が多くて瞬発力に優れた人たちが生き残った可能性があります。
そして速筋は鍛えると大きくなりやすいので、速筋割合が多い人はマッチョになりやすいです。
ということは、マッチョで足が速い人は暑いアフリカで生まれやすいよねって話になります。
まだ続きがあるんだけど、長くなったから次回でw
No.1276