今日も「スポーツ遺伝子は勝者を決めるか」から、技術向上に関することを書いていきます。
今回は音楽家を対象にした研究から、練習時間がどのくらい必要なのかっていう話です。
今まで書いた記事で、
・スポーツなどの技術を向上するには、手の動き、足の動きなど、バラバラの情報をセットにする必要がある
・そうすることであまり意識しなくても、複雑な動きができるようになる
・そのためにはたくさん練習して反復する必要がある
・一度無意識レベルまでできるようになったものを元に、再度レベルアップするために意識練習をする
・この「動作をスムーズにする事」と「動作自体のレベルを上げる事」を繰り返すことで競技レベルが上がっていく
という感じのことが分かりましたよね。
じゃあどのくらいの時間をかけてやれば、それは一流のレベルに到達するのでしょうかね。
【一万時間の法則】
ここで出てくるのが、有名な1万時間の法則です。
「1万時間集中して鍛錬すると、その分野で一流になれる」というものですね。
これは正直言って、個人差があるし、競技によっても変わりますが、そこそこ妥当な時間数みたいですね。
1万時間というと、毎日3時間取り組んで、10年間続けたくらいかな。
逆に毎日10時間頑張れば3年で到達です。
難関校を受ける受験生や、専門的な仕事をしている人は、毎日膨大な時間を費やすから早く一流になりそうですね。
【音楽家の研究】
本の中では音楽家の人を対象にした研究が紹介されていたんですが、ベルリンの音楽学院で調査が行われたようです。
クラシックに関することなんで、「のだめカンタービレ」でしか知りませんが、ベルリンって凄そうですよねw
実際世界のトップレベルの音楽家を輩出している学校だそうです。
その研究では生徒をランク分けして調査したようで、
①最も優秀で、世界的なソリストになれる素質があるグループ
②優秀で、交響楽団のメンバーとしてやっていける素質のあるグループ
③優秀ではなく、将来は音楽の先生になることが考えられるグループ
という3グループを作りました。
これ聞くだけでレベル高いのがわかる学校ですよねw
で、それぞれのグループの過去の練習時間を調査したようです。
学校に入学する18歳までの練習時間ですね。
①最も優秀なグループは、平均で7410時間
②優秀なグループは、平均で5301時間
③優秀でないグループは、平均3420時間
という結果でした。
そもそもが名門校に入学してくる人たちなので、非常にレベルが高いとは思いますが、それでも入学までの練習時間には結構な差があるんですね。
早く始めていたり、1日にたくさんの時間を使っていたり、その辺は色々かもしれませんが、結果的に練習時間の量が実力に反映しているような結果ですよね。
【練習時間の定義】
さっき、毎日3時間で10年すれば1万時間って言いましたよね。
音楽の英才教育を受けていた人なら、18歳までに1万時間を超えている人がもっとたくさんいそうなのに、世界トップレベルの学生で、さっきの時間数です。
ちょっと意外。
でもこの練習時間には「目的を持って負荷をかける時間」であることが条件とされているようなので、ただ気持ちよく演奏している時間とか、もうできることをただ反復している時間は含まれないようです。
つまり、
・全くできないことを意識して練習する時間
・意識しなきゃできないことを無意識レベルに引き上げる時間
こういうような時間のみが練習時間になります。
すると1日に5時間練習していたとしても、カウントされるのは2時間くらいだったりするのかもですね。
考えてみたら僕もダンスをもう15年くらいやってますから、踊っている時間はとっくに1万時間を超えています。
でも集中して練習した時間は多分5000時間くらいなんですよね。(思い出して数えてみたw)
だからもっともっと練習しなきゃいけない。
せめて1万時間。
すると毎日3時間やっても5年かかるな。
でも40歳になるころには一流の目安である1万時間に到達できる。
これは楽しくなりそうですよね。
練習しよ。
No.1269